国際文化学部「ポップカルチャー論」に現代アーティストのサエボーグさんが登壇
2024.05.13
この授業を通して学んでもらいたいことは「大人になって一番身につけなければいけない『真っ当な忠告から耳を塞ぐ技術』」です。
国際文化学部の特別招聘教授である都築響一先生は、受講する学生たちに向けてそう話しました。
開設2年目を迎えた国際文化学部では、今年度から都築響一特別招聘教授による「ポップカルチャー論」の授業が始まりました。この授業では、大学の外側の社会で逞しく自らの表現行為を続けている女性たちを毎回ゲストとして招き、セッションを行います。この授業形式には、先述の都築特別招聘教授の言葉に込められた思いがありました。
「幼い頃から学生の皆さんは『親や学校の先生などの周囲の大人たちからのさまざまな忠告やアドバイスはちゃんと聞くべきだ』と学校で教わってきたと思います。しかし、大人になったら忠告やアドバイスを『どのように聞かないようにするか』を身につけなければなりません。結局、判断の責任を取るのは自分でしかないからです。忠告やアドバイスを聞かないことで、失うものもあるかもしれませんが、自分自身で選択した決断のほうが最終的には得るものが多いと思います。つねに自ら判断し、自分らしい人生を切り拓いてきた方々をこの授業ではお招きしていきます」
4月17日(水)には、最初のゲストとして現代アーティストのサエボーグさんを招いて授業が行われました。
失敗できることは
人生の豊かさである
サエボーグさんは、ラテックス製のボディスーツや巨大な着ぐるみを制作し、その中に入りパフォーマンスやインスタレーションを国内外で行っています。2014年には「第17回岡本太郎現代芸術賞」で岡本敏子賞を受賞されたほか、「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)2022-2024」も受賞され、現在は東京都現代美術館においてTCAA受賞記念展も開催(7月7日まで)されています。
授業のなかでサエボーグさんは、女子美術大学での学生生活や現代アーティストを目指すきっかけ、サエボーグさんを形成したアンダーグランドのパーティ文化やこれまでの国内外での活動などについてお話いただきました。普段はなかなか聞くことができない、現代アーティストの経済的な困難や、インスタレーションを専門とするアーティストのお金の稼ぎ方など赤裸々な内容も話していただき、学生たちは普段触れる機会の少ない世界の話に真剣な表情で耳を傾けていました。
授業の最後にはサエボーグさんから「失敗できることは人生の豊かさであると最近思います。失敗は挑戦していることの証で、大事なことはその過程を楽しむことです。ぜひこれから社会に出る皆さんも失敗を恐れずに挑戦していってください」とメッセージをいただきました。
ポップカルチャー論では、今後も明治?大正?昭和の女性史中国福彩app官方下载家やDJ、少年院出院者たちの支援NPO運営者などを招いて授業を行っていきます。
プロフィール
サエボーグ
サエボーグは不完全なサイボーグ。半分人間で、半分玩具。?らの?膚の延?としてラテックス製のボディスーツを?作し、装着するパフォーマンスを展開。性別などの固定化されたアイデンティティや、?間の?体そのものを超越したいという強い願望を原動?に、雌豚や害?を玩具的にデフォルメしたボディスーツに?を包み、?態系の最底辺の?き物たちが織り成す遊戯的なユートピア実験牧場を作り出す。 これまでの全作品は、東京のフェティッシュパーティー「Department-H」で初演された後、国内外の国際展や美術館で発表されている。 (公式ホームページより)