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史上初の世界1位!チアリーディングAll Girl Elite日本代表として、住居学科2年大井彩華さん

2024.07.30

2024 ICU世界チアリーディング選手権大会優勝インタビュー

写真提供:日本スポーツチア&ダンス連盟

2024年4月24日(水)から4月26日(金)にアメリカ?フロリダ州ウォルト?ディズニー?ワールド?リゾート内で開催された「2024 ICU世界チアリーディング選手権大会(ICU World Cheerleading Championships)」(以下、WCC)において、家政学部住居学科建築デザイン専攻2年大井彩華(おおいいろは)さんがメンバー入りした日本代表All Girl Elite(女子選手のみ)チームが世界1位に輝きました。
WCCは国際オリンピック委員会より正式承認された国際団体「ICU(International Cheer Union)」が主催する、世界最大規模のチアリーディング世界選手権大会です。日本代表として史上初のAll Girl Elite金メダルを獲得した、大井さんにチアリーディングへの思いや学業とチアリーディングの両立などについて伺いました。

プロフィール
大井彩華 おおい いろは

家政学部住居学科建築デザイン専攻(※)2年。

チアリーディングの社会人チームである一般社団法人PHOENIX Black Queensに所属。日本女子大学附属高等学校のチアリーディングクラブ出身。

※2024年度より家政学部住居学科を前身とした建築デザイン学部建築デザイン学科を開設しています。

WCC優勝で獲得した金メダル、チャンピオンリングとともに
WCC優勝で獲得した金メダル、チャンピオンリングとともに

「チアをやりたい!」チアとの出合いは幼稚園のころ

チアリーディングにはダンス中心の「パフォーマンスチア」と、アクロバティックな技を含む「チアリーディング」があり、私は「チアリーディング」で上に乗る人を支えるベースを担当しています。チアリーディングに出合ったのは、私が幼稚園の年長だったころ。私自身は記憶にないのですが、アメリカの高校生活を描いたドラマを観た私が「チアをやりたい!」と目をキラキラさせていたと母は話していました。小学校1年次で始めたチアリーディング競技は、中学生のとき一度離れるも、日本女子大学附属高等学校入学後にクラブ活動として再開。本学へ進学した現在は、住居学科で建築を学ぶ一方で、一般社団法人PHOENIX Black Queensに入ってチアリーディングを続けています。

日本代表として、WCCに挑む

私はもともと「いつか世界でチアをしてみたい」という夢があったので、大学1年の夏ごろ日本代表メンバーのトライアウト(個人選抜)に応募しました。書類審査を通過した後は、練習会で技の審査。高校時代に挑戦したことのない技も多く不安は大きかったですが、審査のときは技が上手くできました。日本代表メンバーとして名前が呼ばれたときは、嬉しさ以上に「日本代表としての挑戦がここから始まるんだ」という高揚感が強く印象に残っています。
その後大会までの約半年間は、とにかく必死で練習しました。日本代表はこれまでAll Girl Eliteでは優勝したことがなかったので、「今年こそは優勝したい」と日本代表メンバー全員が思いを1つにして臨んだWCCでした。

WCC決勝でベースとして、トップ(上に乗る人)の左足を支える大井さん(写真提供:日本スポーツチア&ダンス連盟)
WCC決勝でベースとして、トップ(上に乗る人)の左足を支える大井さん(写真提供:日本スポーツチア&ダンス連盟)

WCC優勝を目指して、予選2位からの逆転優勝!

WCC当日、「日本代表として出場できるチャンスに感謝して、全力でこの瞬間を楽しもう」という思いで演技に取り組みました。予選は残念ながら2位。翌日行われた決勝で日本が1位と発表された瞬間は、驚きと嬉しさと安堵が一気に涙となって溢れ、みんなで抱き合って喜びました。これまで経験したことがなかった、あの感情と光景はずっと忘れないで覚えておきたいです。
WCCで演技した時間は日本では深夜でしたが、オンライン配信で家族や友人、チームメイトが応援していてくれました。大会後、「よく頑張ったね」「泣いた!」など多くの連絡をもらい、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

写真提供:日本スポーツチア&ダンス連盟
写真提供:日本スポーツチア&ダンス連盟

高校時代からあこがれの先輩と世界へ

日本女子大学からWCCに日本代表として出場したのは、私だけではありません。食物学科食物学専攻3年山口奈々羽(やまぐちななは)さんが、昨年のWCCのCoed(男女混成部門)で世界1位を獲得し、今年は昨年度よりも1段階レベルの高いCoed Premier部門で日本チアリーディング史上初の決勝進出を果たし、7位に入賞されました。
奈々羽さんは私と同じく日本女子大学附属高等学校出身で、同じチアリーディング部「DAPPERS(ダッパーズ)」で1つ上の先輩です。私がチアリーディングチームPHOENIXに入った理由も、奈々羽さんが所属していたから。高校時代から現在まで、常に奈々羽さんの凄さを間近で見ることで大きな刺激を受けています。そんなあこがれの先輩である奈々羽さんと、部門は異なっていても同じ日本代表として戦うことができたことは何より嬉しかったです。

WCC会場であるアメリカ?フロリダ州ウォルト?ディズニー?ワールド?リゾートにて、山口奈々羽さん(左)と大井彩華さん(右)
WCC会場であるアメリカ?フロリダ州ウォルト?ディズニー?ワールド?リゾートにて、山口奈々羽さん(左)と大井彩華さん(右)

チアの魅力は「人を笑顔にすること」

チアリーディングは他のスポーツを応援することから始まり、観客を楽しませるためにアクロバティックな技が取り入れられていったという経緯があります。そのためチアリーディングでは観客を笑顔にすることを最も大切にしています。演技中に重要な技を失敗してしまったとしても決して笑顔は崩しません。何があっても最後まで笑顔でやりきるという点は、チアリーディングにしかない魅力かなと感じています。また、個人競技ではなくチーム競技なので、1つの目標に向かう仲間がいるということもすごく素敵だと思います。所属チームPHOENIXにはチアが大好きな仲間がいるので、そういった空間が心地よくて、チアリーディングを続けている気もしています。
今回の優勝によって、来年の日本代表チームはさらにレベルの高い部門であるAll Girl Premier への出場が決まったので、私の次の目標は来年も日本代表として世界で戦うことです。また、所属チームPHOENIX Black Queensとしても、11月に開催される「JAMfest JAPAN vol.21 in YOKOHAMA」で好成績を残して、国別対抗ではなくクラブチーム対抗の世界大会である「IASF Worlds」にチームで出場できるよう、今の自分の状況に満足せずに常に成長を目指していきたいです。

日本女子大学住居学科建築デザイン専攻(※)とチアリーディング

私が所属するPHOENIXは社会人チームなので、練習は土日が中心で、平日夜は自主練習をしています。そのため、平日は大学の授業に出席してから必死で課題に取り組み、夜はチアリーディングを練習する毎日を送っています。チアリーディングの練習がない日もありますが、その日はアルバイト。大学入学したばかりのころは大学生活とチアリーディングの両立がしんどいと感じていました。しかし、同じ学科の友人やチアのチームメイトのそれぞれ頑張る姿を見て、「建築もチアも両方みんなと同じ熱量で頑張りたい」と思って、いつも課題とチアを両立させようと努力しています。そう思わせてくれる仲間が大学にもチームにもいてくれることは、とてもありがたいと思っています。

建築デザイン専攻(※)の魅力とは

私が「建築」を学びたいと思ったきっかけは、映画やドラマの撮影で使用される建築模型に興味を持ったことでした。その上で知り合いから日本女子大学の住居学科について、「篠原聡子学長をはじめ著名な建築家が専任教員として在籍している」「建築分野で活躍している卒業生が多い」と勧められたことが進路選びの決め手になりました。
建築デザイン専攻では、1年次から製図(建築物を製作するため形状?大きさ?構造などを記入した図面を作成すること)に取り組んでいます。最初は有名な建築物の図面を正確に写す練習をして、2年生になると自分のアイデアをもとに製図。製図の課題は大変ですが、10人ほどの学生に対して1人の先生がついて、各学生を丁寧にサポートしながらアイデアを深めてくださるので、いつの間にかクラスメイト全員が製図ができるようになっていました。他大学では1年次から製図に取り組むことはあまりないと聞くので、たしかな技術が身につく少人数制の授業は本学の建築デザイン専攻の魅力だと感じています。また「住居」は生きる上で欠かせないので、大学での学びは将来、仕事だけではなく日常生活でも大いに生きると確信しています。

※2024年度より家政学部住居学科を前身とした建築デザイン学部建築デザイン学科を開設しています。

写真提供:日本スポーツチア&ダンス連盟
写真提供:日本スポーツチア&ダンス連盟